本日はDTMにおいてマウスが使えるのか、使えないのかという話がだが、結論を先に書く。
・マウスでは、致命的に操作性が悪い場面がある
・とはいえ、ないよりもあった方がよい
これに関して順に書いていく。
■ エレコムのトラックボールマウスは使いやすい
わたしは、仕事でエレコムのトラックボールマウスを使っている。親指でポインタを動かすタイプだ。
だいぶ快適に使っており、これ以外のマウスは考えられない。もちろん、通常の腕ごと動かすマウス、人差し指でボールを動かすマウスを使ったうえでの結論だ。
使っているのは、これ↓
エレコム ワイヤレス トラックボールマウス EX-G 握りの極み 6ボタン ブラック M-XT3DRBK
DAWを操作する際は、これまでは普通にMacBookについてるトラックパッドを使っていた。
普段仕事で使い慣れてるトラックボールマウスをDTMに取り入れたら、DAW操作が効率化するんじゃね?と特に何も考えずに、新たに買ってみたのが今回の話である。
■ エレコム トラックボールマウスを使った感想
で、新たに買ったのは、こちら。
エレコム ワイヤレス トラックボールマウス IST 無線2.4GHz 親指操作 36mmボール 人工ルビー支持 5ボタン ホワイト M-IT10DRWH
色は白。職場で使っているのよりも、ややプックリした印象がある。
なんか、無骨な黒色マットよりも、なんだか全体的に可愛らしい。
この記事の主旨は個別の商品紹介ではないので、ほどほどで止めておくが、よいと思う点は下記の通り。
・Bluetooth接続なので、USBレシーバーを刺す必要がない
・トラックボールの動きがメチャクチャ、スムーズ。ストレスゼロ
・手になじむデザイン
・金額が手ごろ(5,000円くらい)
とにかく、上の職場で使っている黒も特に使っていて不満はないのだが、それと比べてもトラックボールの動きが超スムーズなのが大きい。最初は、ややクリックが重いかなとも思ったが、使っているうちにそれも感じなくなった。
で、ここからDTMをやる上での使用感を書いていくのだが、結論から言うとDAWにトラックボールマウスは合わないところがある。その理由がこちらである。
* ちなみに、Logic Proに限った話になる。
■ トラックボールマウスがDAW操作に致命的に合わないところ
Logic Proの操作において、マウスが致命的に合わないところ。それは一番頻出の操作である画面の「拡大・縮小」と画面の横移動が直感的にできないところである。買う前に気づきそうなものではあるが、何も考えずに買ってしまったのでしょうがない。
*画面の縦移動に関しては、ホイールにて直感的に可能
Logic Proにおいて操作画面の「拡大・縮小」は、トラックパッドでは、OPTIONボタンを推しながら指2本を横もしくは縦に移動する。縦に拡大する場合は、optionを押しながら上、縮小する場合は下、横に拡大する場合は、optionを押しながら右、縮小する場合は左である。単に「上下左右」の移動の場合は、optionを押さない。
この文章を書くにあたって、自分がどうやってその操作をしているか、あらためて手元を確認するほど、すでに体に染み付いた指のクセになっている。
これに気づいたときの愕然とガッカリ感かなり大きいものであった。Macのトラックパッドって、すでにメチャ便利だったんだという、今さらながらの気づきである。
■ 代替的な操作
とはいえ、せっかく買ったトラックボールマウスである。もう少し、使える方法がないかの検証をしてみた。
(1)ショートカットキーの利用
画面の拡大縮小は、ctrIキーと上下左右キーでも可能
(2)画面の縦と横のスラードバーを使う
問題はやはり、「横の画面移動」と「横方向の画面の拡大縮小」が直感的にできないこと。これは、かなり致命的である。
上に書いたショートカットでの拡大縮小も、スピードがとにかく遅い。マジで日が暮れてしまう。残念ながら、(1)(2)ともに、実用にはほど遠い。
■ マウス&トラックボール、両刀使いへの道
メインでマウスを使い、画面の拡大縮小だけ、MACのトラックパッドを使えばいいじゃんという声も聞こえてくる。つまり両刀使いってことだ。これについては、それもできなくはないので、検証してみる。
ただこれには一つ問題がある。
(1)マウスとトラックパッドで、縦横が逆問題
画面を下にスクロールする場合、マウスのホイールは下に動かす。また。同様の操作をトラックパッドでは指2本を上にスワイプする(スマホの操作と同様)。ほとんどの方は、こういった操作になるだろう。注目すべき、指の動作がマウスのホイールとトラックパッドでは逆方向ということである。
Macの場合、マウスとトラックパッドで別々の設定ができないので、これをマウスに合わせるとする。つまり画面を下に動かす場合に、マウスのホイールは下に動かす(トラックパッドの設定がこれまでと逆)。
この設定にしていることを忘れて、画面を右方向に動かしたい場合、通常のトラックパッドの操作だと左方向にスワイプしてしまう。マウス準拠の設定だと右方向に動かさないと右に行かない。
これが地味にストレスになる。
「あれ、右に行かない?!あ、設定が逆なのか。右にスワイプ」と、こういう脳内処理が行われる。これに、なかなか慣れない。
(2)マウスとトラックパッドで、縦横が逆問題の対処法
両刀で使う場合の対処法としては、おそらくこれしかないだろう方法である。
・マウスは、ポインタを動かし、クリックをするのみに使う。
・トラックパッドは、画面の左右移動、拡大縮小のみ使う。
つまり、役割を完全に分けるということだ。
■ DTMでマウスが操作が活きる場面
横移動がスムーズにできないのがわかった段階では「買わなきゃよかった…」と思ったのが正直なところだ。が、いまは買ってよかったと思っている。
マウスは、やはり細かい操作の場面で、トラックパッドよりもアドバンテージがある。例えば、以下の場面だ。
(1)細かいmidiデータの編集作業
一度、ざっくり手打ちで入力したデータを移動させたり、音を伸ばしたり縮めたり、こういった細かい作業は、トラックパッドよりも向いている。また、オートメーションなどの細かな設定の際にもマウスは使える。
(2)ミキシングの際の細かいフェーダーの設定
フェーダーをほんのちょっと動かす。もちろん、トラックパッドでできないこともないが、これもマウスに軍配が上がる。
(3)録音後のボーカルの調整
Logicにおいては録音後のボーカルの調整は、1音ごとのデータをいじる必要がある。データの中心にカーソルを合わせる、右隅にカーソルを合わせるなど。要は操作が細かいので、こういった際にもマウスは活きる。
わたし自身、メロダインをインストールしてるものの、未だに慣れているLogic純正を使っている。そろそろメロダインに移行しようと思っているが、おそらくはこういった作業は同じだろう。
■ まとめ
以上が、Logicにおけるトラックボールの使用感だ。ほかのDAWでもだいたい同じようなカンジなのではないかと想像する。
とにかく便利だからと、買うことを勧めるDTM系のブログを見たこともあるが、この辺を説明しないのは誠実ではないと思うところである。
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