DTMerのための音楽知識(過去作)のインプット法

今日はDTMerが曲を作るにあたって、音楽知識の引き出しは多ければ多いほどいいという話。

■ 音楽好きは、いくつかの村に分かれて住んでいる

世の中の音楽好きを大雑把に分けると、リスナー村、プレイヤー村、DTMer村、DJ村がある。オーディオマニア村というのもあるが、いったんここでは話を省く。

音楽に対するリスニングのスタンス、消費行動は、それぞれまったく異なる。自分がどの村の所属か、仲のいい音楽仲間はどうなのかを思い浮かべてみてほしい。

音楽をよく聞くのが、リスナー村とDJ村の住人。逆にDTMer村の住人とプレイヤー村の住人たちは、あまり音楽を聞かない傾向にある。

■ DTMer村の住人はあまり音楽を聴かない

DTMer村の住人は、あまり音楽を聞かない。これは、いったいナゼなのか?

さらに不思議なことに、音楽自体に実はあまり興味がないという人もいる。
DTMはあくまでも名をあげる(有名になる)ための手段なのか?
で、それをモチベーションにしているのだろうか。

「音楽を作ること」が自己実現と深く結びつき過ぎている。

こんな人は「今年リリースされたものでよかったアルバム5枚ってなに?」と聞いても、1枚も挙げられない人が多いだろう。曲単位でも10曲挙げられない人が多いのではないだろうか。

ZEDDが好きで、そればっかり聞いてるとか。アヴィーチーは好きだけど亡くなって以降、これといって追いかけて聞いてる人はいないとか。

これはあくまでもわたしの知ってる範囲の話なのだが、みなさんの周りではどうだろうか?

■ 過去作を知るほど、表現の幅は広がる

話がややズレたが、DTMerは積極的にインプットをした方がいいと思う。
知れば知るだけ、表現の幅が広がるからである。

「オレ、すっげえ音楽発明した!」と思っても、もうそれは過去に誰かがやっている音楽の可能性が高い。

作る曲が過去の音楽遺産に似るのがいけないと言っているわけではない。参考にする引き出しが増えると、よりよいものを作れる可能性も上がるのでは?ということが言いたかった。

■ 効率的な音楽知識(過去作)のインプット法

効率的な方法なんて実はなくて、地道に努力をするしかない。

なんで、あえて「努力」と書いたかといえば、本当に音楽を聴くのが好きな人であれば、わたしがこんなことを言う前に勝手にディグってしまうからだ。

そうでない人に関しては、あるていど我慢してインプットをするしかない。

まずは、ロック100選みたいな本を買ってきて、片っ端から聞いていくことだろう。
ちょっと待って。わたしの好きな音楽はヒップホップだよとか、EDMだよとか言い始める人がいる。

いや、ロックの名盤100枚くらいは、どの音楽ジャンルを志すにも本当に基礎の基礎。一般教養レベルの範疇だろう。

「カニエのPOWERって曲、超やべー」とか言ってる人も、この曲がキングクリムゾンをサンプリングしていることを知らなかったりする。

カニエの歌詞は読んでないので詳細は知らないが、この21世紀にはぐれモノとして生きる覚悟を示すための「21世紀の精神異常者」のサンプリングなのだろう。完全に想像で書いてるが。こういった基礎の基礎の知識すらないと、大事なことをゴッソリつかみそこなってしまう。

■ 天才でさえ過去作を大量に聞き、それを参考にしている

ロックの名盤100選を聞いたあとは、気になったジャンルごとのディスクガイドを片っ端から聴いていくことだろう。別にハードロックでもいいし、シューゲイザーでもいいし、ソウルでもいいし、なんでもいい。

DTMをやっている人のなかに、なんのジャンルにも詳しくない人がたまにいる。
あなたがエイフェックスツインのような天才なら、それでいいだろう。もしそうでないなら、自らの可能性を狭めているのではないか。

そもそも独創的に聞こえるエイフェックスツインの音楽も、実は他ジャンルの過去作の引用から成り立っている部分は多い。そういった話は、また引用の記事にて。

DTMer村の人も、一時的にはリスナー村に引っ越す必要があるということを、今日は言いたかった。ミュージシャンで一定の知名度に到達している人は、すべからく音楽の過去作には詳しい。みんなあまり表立って言わないだけだ。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました