「33歳以上は新しい音楽聞かない説」への向き合い方

タイトルに書いたようなことは、この数年たまに耳にすることがある。

まあ、真理であり事実に近いのであろうけど、それを嘆いてもしょうがない。DTMerとして、どんな音楽を誰に向かって作るかというところまで、考えてみる。

■ 「あるていど年をとると、まったく新しい音楽を聴かない」ことに関する調査の事例

海外の記事でこんなものがある。

We stop discovering new music at age 30, a new survey suggests — here are the scientific reasons why this could be

ここではDEEZER(フランスの音楽配信サービス)による1000人のイギリス人に対する調査に触れている。

ポイントだけ書くと、この調査によると60%の人が知っている曲しか聞かず、25%が知っているジャンルしか聞かないとのこと。つまり、全体の15%の人しか、そもそも新しい音楽を探していないということである。

また、新しい音楽を発見する年齢のピークは24歳で、これを過ぎると人々の音楽トレンドについていく能力は衰えていく。33歳で新しい音楽はほぼ探さなくなるようだと書かれている。

■ 日本ではどうなのか?

うなづける人も多いのではないだろうか。これはおそらく、日本でも同じ傾向にあるように思う。

わたしの周りの30代・40代を見ていると、昔から好きなバンド(サザン、ミスチル、イエモン、スピッツ、バンプが多い)の新作は聞くという人は多い。

ただ、彼らの中でも新しいアーティストの新譜まで追いかけている人は皆無だと言える。カラオケで歌うために、米津やあいみょんの歌を覚えるなどは、話が別なのでここでは除外する。上の調査だと85%に入る人たちだ。

わたしが一緒にユニットを組んでいたキーボードのNくん(30代後半)に関しても、これにモロにはまっている。彼はわたしと知り合って以降、新しい音楽は一切聞いていない。

彼が聞くの彼が思春期に好きだったアクセスのみである。ちなみに浅倉大介に関連の深いTMネットワークすら、有名曲しか知らない。小室ソロの「GRAVITY OF LOVE」のさと言っても知らない。直近だと、ブリンバンバンのさと言っても、「なんすか、それ?」と返されるのである。

あくまでも個人的な印象として、日本での新しい音楽を探さなくなる年齢は33歳よりも前、20代後半から30歳くらいにはきているのではないかといういう気がする。

■ あなたが作ろうとしている音楽は「新しい音楽」である

例えば、バンドやDJの活動に熱心なハタチくらいの大学生がいたとする。そんな彼も社会に出て働き始め、30歳を過ぎ結婚をし子どもできるだろう。30代半ばを過ぎれば、仕事での役割も増えてくる。なかなか最新の音楽を追いかけている余裕もなくなるのもしょうがない。

ここはDTMに関するブログなので、単に世代論や音楽ニュースを補完する記事を書いて終わらせるつもりではない。

言いたいのは、あるていど再生数を稼げる音楽を作りたい人に関しては、まさにココにヒントがあるということだ。

気づかなくてはならないのは、あなたが音楽をやる以上、一般の人たちにとってそれは「新しい音楽」であるということ。

■ では誰を対象にした音楽をやるのか

つまりにあげた記事のとおり、一定以上の年代の人たち(上の調査だと33歳以上)が自主的にディグって、わたしやあなたの曲にたどり着く可能性は皆無に近いということである。

彼らは自分にとっての懐メロでYOUTUBE検索をかけることはあるだろう。一方で、最新のプレイリストを流して新しい音楽を聞くことはしない。

自らの意思で新しい音楽を探す「ディグる」という行為を、そもそもしないのだ。

ということは…まずどのような層を対象に作ればいいのか。
賢明なみなさんなら、もうおわかりかと思う。

まずは自分が「新しい音楽に興味を持つ」こと。
直近で新たに聞くようになったバンドをどういう経路で知ったのか。そこに思いを巡らせることが第一歩だろう。

ごくごく基礎的なマーケの話だが、こんなこと書いてるDTMのブログはおそらくどこにもない。

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