曲をつくってると自分の世界に入りこみ過ぎて、その曲がよいのか悪いのかわからなくなる。そんなことってないですか?
今回は、そんな時の対処法の一つについてです。
■ 客観的になるのは難しい
自分を俯瞰の目線で見ること、また自身に客観的に判断をくだすことほど難しいことはない。まあ、これは作曲に限った話ではないが。
そこで大事になってくるのが、自分がつくった曲に忌憚のない意見を言ってくれる人の存在だ。家族や身内などもそれに入るだろう。
よいものはよい、悪いものは悪いとなるべく正直に言ってくれる人がベスト。多くのケースでは、たとえ本人はよいと思ってなくても気を使われて「う…うん、いい曲だね」という感想になってしまうことがほどんどだろう。しかし、そんな意見は毒にも薬にもならず、聞く意味がない。
岡崎体育も実家にいたころは、できた曲はまずお母さんに聞いてもらうという話をどこかでしていた。
■ 曲の感想のパターン
単に曲の感想といっても、いくつか種類があるだろう。ざっと分けると下記の3つ。
② 音楽へヴイリスナー目線での感想
③ DTMer(音楽クリエイター)目線での感想
■ 友だちにしてはいけないダメな返信例
少し前、できあがった曲の感想をもらいたいタイミングがあった。で、以前一緒にユニットを組んでいたキーボードのNくんにできあがった曲のURLを送ることに。
彼は、いまの音楽も過去の音楽もまったく聴かない。千葉雄喜もYOASOBIも知らなければ、オアシスもビースティ・ボーイズも知らない。よって①②の視点は期待しておらず、③の返信を望んでいた。
「まずは全体の感想、次にココがよくてココが悪いので、~といったように修正した方がよい」といった形での返信がくると思いこんでいた。
しかし、1週間待ったあとに彼から返ってきたのは…
「レファレンスに比べ、クラップの音量が大きく、ベースの音量が小さい」というたったそれだけの返信だった。
■ 「曲のどんな感想をもらいたいか」で、送る人を選ぶ
こんな感想は、まったくもって拍子抜けである。これは曲の感想ではなく、レファレンス曲との単なる対比だ。③の視点と言えなくもないが、欲しかった返信ではない。
この例のように欲しい感想に沿って適切な人を選ばないと、思っていたのと違うリアクションが返ってきてしまうこともある。あとは、誠意があるってのが条件だろうか。上に書いた返信には誠意がない。
昔の職場の音楽好きの同僚とかに送った方が、まだまともな感想が戻ってきたかもしれない。
最後につけくわえるなら、曲を聴いて感想を言ってもらうという行為は、頼まれる方にとっては、なかなかの負担だ。時間は取られるし、単に聞き流すのではなく、なにか感想というべき指摘するポイントを探さなくてはならない。よって、ある程度の精神力を使う。
きちんとした返信をくれた人には、感謝の言葉なり何なりのお礼が必要だろう。まあ、なんにせよNくんの返信の誠意のなさは問題外だな…。
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